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zoom RSS NGPに見える、SCEのトーンダウン

<<   作成日時 : 2011/01/31 18:14   >>

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■後藤弘茂のWeekly海外ニュース■
SCEが新ポータブルゲーム機「NGP」に至るまでの道のり


発表から日が経ち、冷静になって考えてみると。

PS2の発表会の後、圧倒されていた後藤氏が、今回のNGPではあまりテンションが上がっていない様子なのは理解できます。NGPでは、SCEのコンピュータエンタテイメントに関する姿勢が、大幅に後退しているようにも見受けられます。

PS2やPS3の頃、SCEはエンタテイメントをテクノロジドライバであるとしていました。ゲームを含むコンピュータ・エンタテイメントを進化させるために、コンピューティング技術自体のイノベーションを仕掛ける、それがSCEの姿勢でした。低コストで良質なハードを枯れた技術を用いて創り上げる、またはハイエンドの既存技術を組み合わせる、という他社の方針に対し、最も積極的な考えを持っていたのがSCEで、彼らはエンタテイメントのために、技術を進化させようとしていました。だからこそ、PS2でもPS3でも常識破りのことをやって、ユーザやアナリストや開発者の一部からは驚かれたり危ぶまれたりしながらも、例えばゲーム機のCPUにベクトル演算器を載せたり、DRAM混載ロジックを使ってみたり、最先端プロセスの自社工場を立ててみたり、フルプログラマブルでありながらも高い浮動小数点演算性能を持つプロセッサを開発してみたり、と、先進的な試みを続けてきました。

それが、NGPからは感じ取れない。有機ELは特別に新しい技術ではありません。対称マルチコアプロセッサはすでに一般的です。グラフィックチップも一般的なPowerVRです。タッチセンサも新しいものではありません。NGPは、SCEの独自技術の塊ではなく、ハイエンドの既存技術を組み合わせた、言ってしまえば「誰でも作れる」、「最高の」ハードウェアです。ちょっと前のMS的、と言えば分かりやすいでしょうか。Kinect以降、MSとSCEの姿勢が入れ替わってしまったようにも感じます。

「ぼくがかんがえたさいきょうのPSP2」だ、と言われています。その程度なんです。妥協はしないけれども、大方の予想を大きく超えることもない。技術志向の後藤氏のテンションが上がらないのも当然でしょう。ユーザや開発者からの要望に、真摯に答えたハードウェアだと思いますが、これ、ぶっちゃけ中国メーカーでもデザインできるよね?ユーザや開発者の声を聞き、既存技術を買ってきてそれを実現するだけでいいんだから。ユーザの求めるものをただ提供するだけでは、それはイノベーションとは言わないよ。SCEには、ユーザ側からは思いもつかないような、新しい世界を切り開く存在で合って欲しかったのだけれど。

どうしてSCEの姿勢が変わってしまったのか。結局、PS3事業で思うようにシェアを取れなかったという事実が大きいのだと思います。PS3を企画していたころのSCEは、PS2で圧倒的なシェアを持つ自分たちがイノベーションを推し進めれば、最初は批判されることがあっても、結局皆付いてくるだろう、という思惑があったのではないでしょうか。しかし、それが外れ、PS3では大きくシェアを落とすことになってしまった。今のSCEに、プラットホームスタート時の多少の不利に目をつむってでも技術革新をやる、という程の余裕がなくなってしまったのでしょう。

実は、NGPと同じようなハードを、SCEが出していたことがあります。初代PSです。2Dの描画機能を省くというエポックメイキングな革新は行っていますが、PSのために新しく開発された、イノベーションと言えるほどの技術はありません。主要なチップは他社から買い、既存技術の組み合わせで作られたハードウェアでした。当時のSCEのプランとしては、初代PSは次期PS(PS2)を開発するための資金集めのために作った、と言われています(久夛良木氏がどこかのインタビューでそう答えていた記憶があります)。NGPが、そのような「次へつなぐ」ためのハードウェアであってくれればいいのですが。

それに、後藤氏が述べているように、コンピューティングの世界は技術革新が速い、というのも大きな理由の一つでしょう。NGPは2012年頃のハイエンドスマートフォンと同程度の性能だと思われます。けれども、独自技術をふんだんに使ったPS2やPS3も、2〜3年後にはそれを超える性能のハードが市場に溢れています。そして、デジタル機器自体の市場も大きくなり、今ではほとんどの人がPCやスマートフォンやフィーチャーフォン(いわゆるガラケー)を使いこなす時代です。発売直後に一気にシェアをとってしまわなければ、新しいプラットホームはすぐに埋もれてしまう可能性があります。独自技術で性能を確保し、発売5年後でも戦えるようなハードを提供し、スロースタートでも徐々にシェアを拡大していく、というのがSCEのこれまでの方針ですが(実は、PS2を除いて、SCEのハードは基本的にスロースタートです)、それが今後も通用するかどうかわかりません。5年後でも戦えるマシンをスロースタートで出すよりも、2年後でも戦えるマシンを一気に垂直立ち上げするほうがいいのでしょう。

技術革新よりもシェア確保を、スロースタートよりも垂直立ち上げを狙う製品。ハードウェアはPS的で、マーケティングはPS2的なハードになるのかな、と思います。


グダグダとネガティブなことを書いてきましたが、じゃああんたはNGPを買うのか買わないのか、と聞かれるならば、「全力で買います!」。未来を切り開くハードではないかもしれませんが、ユーザからの要望に対して妥協のない、素晴らしいハードではあると思います。

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コメント(1件)

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返答ありがとうございます。

私は携帯ゲームに興味がうすく、理由はスペックが低いからという理由だったんですが、さすがにNGPは心が揺らぎました。PS3に近い映像表示はすごすぎです。これまで任天堂に大きく水をあけられているので、次回は接戦を期待したいです。
ryoraku
2011/01/31 20:04

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